こんにちは!弁理士試験(短答)、再勉強中のさかいろです。
今回は弁理士試験 令和5年度 短答式の特実2(3)を紹介!!
ちなみに弁理士試験 令和5年度 短答式の特実1 まとめはこちら↓
弁理士試験 令和5年度 短答式の特実2(1)はこちら↓
弁理士試験 令和5年度 短答式の特実2(2)はこちら↓
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- 弁理士試験に興味あり!
- まずは手始めに短答試験がどんなもんか知りたい!
- ちょっぴり実務を知っている人向け
- とりあえず手軽に問題+解答を知りたい(解答の正確性は保証しかねますが・・・)
- 結論
- 今回は弁理士試験 令和5年度 短答式の特実2(3)を紹介!
- 3 特許法における通常実施権の規定には、特許法第 35 条第1項に規定する職務発明に係る特許権についての通常実施権及び同法第 79 条に規定する特許権についての先使用による通常実施権については、当該特許権者は当該通常実施権を有する者から相当の対価を受ける権利を有することは規定されていないが、同法第 79 条の2に規定する特許権の移転の登録前の実施による通常実施権、同法第 80 条に規定する特許権についての無効審判の請求登録前の実施による通常実施権及び同法第 82 条に規定する意匠権の存続期間満了後の特許権についての通常実施権については、当該特許権者は当該通常実施権を有する者から相当の対価を受ける権利を有することが規定されている。
- 答え○
- 理由:職務発明による通常実施権(∵35条1項)、先使用権(79条)は無償!一方、79 条の2の通常実施権(∵79 条の2第2項)、中用権(∵80条2項)、82条の通常実施権(∵82条2項)は有償!
以下の内容はあくまでも個人の解釈で、受験機関などの回答は参考にしておりませんので、ご注意ください。また、その正確性を保証するものでもありません。もし、間違い等ございましたら、コメント頂ければ幸いです。
弁理士試験 令和5年度 短答式の試験問題と解答は特許庁HP↓から確認可能です!
弁理士試験 令和5年度 短答式 特実2(3)
令和5年度弁理士試験
短 答 式 筆 記 試 験 問 題 集
【特許・実用新案】2
特許権についての実施権等に関し、次のうち、正しいものは、どれか。3 特許法における通常実施権の規定には、特許法第 35 条第1項に規定する職務発明に係る特許権についての通常実施権及び同法第 79 条に規定する特許権についての先使用による通常実施権については、当該特許権者は当該通常実施権を有する者から相当の対価を受ける権利を有することは規定されていないが、同法第 79 条の2に規定する特許権の移転の登録前の実施による通常実施権、同法第 80 条に規定する特許権についての無効審判の請求登録前の実施による通常実施権及び同法第 82 条に規定する意匠権の存続期間満了後の特許権についての通常実施権については、当該特許権者は当該通常実施権を有する者から相当の対価を受ける権利を有することが規定されている。
question.pdf (jpo.go.jp)
とにかく長い・・・・
読むのイヤになりますね・・・
もっと短い文章でお願いしたい!!
が・・・頑張って読んでいきたいと思います!
あまりにも文章が長いので、前半と後半に分けます!
R05特実2(3)前半
特実2(3)前半 :特許法における通常実施権の規定には、特許法第 35 条第1項に規定する職務発明に係る特許権についての通常実施権及び同法第 79 条に規定する特許権についての先使用による通常実施権については、当該特許権者は当該通常実施権を有する者から相当の対価を受ける権利を有することは規定されていないが、
法定通常実施権のはなしだね!
職務発明とかも度々改正ありで苦手なんだよね・・・
- 特許法第 35 条第1項に規定する職務発明に係る特許権についての通常実施権
- いわゆる職務発明による通常実施権
- 職務発明の場合、使用者等(いわゆる会社)には、無償の法定通常実施権が発生する!(∵35条1項)
- なので、「当該特許権者は当該通常実施権を有する者から相当の対価を受ける権利を有することは規定されていない」ので、→答え○
- 同法第 79 条に規定する特許権についての先使用による通常実施権
- いわゆる先使用権
- 先使用権は無償!!
- なので、「当該特許権者は当該通常実施権を有する者から相当の対価を受ける権利を有することは規定されていない」ので、→答え○
(職務発明)
第三十五条 使用者、法人、国又は地方公共団体(以下「使用者等」という。)は、従業者、法人の役員、国家公務員又は地方公務員(以下「従業者等」という。)がその性質上当該使用者等の業務範囲に属し、かつ、その発明をするに至つた行為がその使用者等における従業者等の現在又は過去の職務に属する発明(以下「職務発明」という。)について特許を受けたとき、又は職務発明について特許を受ける権利を承継した者がその発明について特許を受けたときは、その特許権について通常実施権を有する。
特許法 | e-Gov法令検索
(先使用による通常実施権)
第七十九条 特許出願に係る発明の内容を知らないで自らその発明をし、又は特許出願に係る発明の内容を知らないでその発明をした者から知得して、特許出願の際現に日本国内においてその発明の実施である事業をしている者又はその事業の準備をしている者は、その実施又は準備をしている発明及び事業の目的の範囲内において、その特許出願に係る特許権について通常実施権を有する。
特許法 | e-Gov法令検索
なので、前半部分は、職務発明による通常実施権も先使用権も無償なので、答え○!
R05特実2(3)後半
特実2(3)後半 :同法第 79 条の2に規定する特許権の移転の登録前の実施による通常実施権、同法第 80 条に規定する特許権についての無効審判の請求登録前の実施による通常実施権及び同法第 82 条に規定する意匠権の存続期間満了後の特許権についての通常実施権については、当該特許権者は当該通常実施権を有する者から相当の対価を受ける権利を有することが規定されている。
後半部分は、
同法第 79 条の2に規定する特許権の移転の登録前の実施による通常実施権
同法第 80 条に規定する特許権についての無効審判の請求登録前の実施による通常実施権
同法第 82 条に規定する意匠権の存続期間満了後の特許権についての通常実施権
について有償か無償か問う問題だね!
- 同法第 79 条の2に規定する特許権の移転の登録前の実施による通常実施権
- 冒認等のときに真の権利者には特許権の移転請求権74条が、善意に譲り受けた者には79条の2の通常実施権が認められる!
- その代わり、真の権利者はその通常実施権者から相当の対価を受ける権利を有する(79条の2第2項)
- なので、有償=「当該特許権者は当該通常実施権を有する者から相当の対価を受ける権利を有することが規定されている」=(79条の2第2項)=答え○
- 同法第 80 条に規定する特許権についての無効審判の請求登録前の実施による通常実施権
- いわゆる中用権!
- 中用権の典型例・・・重複して2つ特許権あり→後願に39条1項の無効理由あり→なのに後願者が気付かず善意実施→無効審判で無効になった場合に後願者に中用権認める!
- 中用権は有償=「当該特許権者は当該通常実施権を有する者から相当の対価を受ける権利を有することが規定されている」=(80条2項)=答え○
- 同法第 82 条に規定する意匠権の存続期間満了後の特許権についての通常実施権
- 例えば、タイヤとかだと、意匠→溝形状のデザイン、特許→スリップ防止技術、のように同一対象について、適法に意匠権と特許権と成立してしまう。
- 意匠権は出願日から25年なので、特許権が延長等されると、先に意匠権が満了するケースもあり
- なので、81条で原意匠権者、82条で専用実施権者や通常実施権者に、意匠権の存続期間満了後、通常実施権を認めた!
- 81条の原意匠権者は無償、82条の実施権者は有償!=「当該特許権者は当該通常実施権を有する者から相当の対価を受ける権利を有することが規定されている」=(82条2項)=答え○
後半部分も答え○だね!
ということは、この問題は答え○だね!!
(特許権の移転の登録前の実施による通常実施権)
第七十九条の二 第七十四条第一項の規定による請求に基づく特許権の移転の登録の際現にその特許権、その特許権についての専用実施権又はその特許権若しくは専用実施権についての通常実施権を有していた者であつて、その特許権の移転の登録前に、特許が第百二十三条第一項第二号に規定する要件に該当すること(その特許が第三十八条の規定に違反してされたときに限る。)又は同項第六号に規定する要件に該当することを知らないで、日本国内において当該発明の実施である事業をしているもの又はその事業の準備をしているものは、その実施又は準備をしている発明及び事業の目的の範囲内において、その特許権について通常実施権を有する。
2 当該特許権者は、前項の規定により通常実施権を有する者から相当の対価を受ける権利を有する。
特許法 | e-Gov法令検索
(無効審判の請求登録前の実施による通常実施権)
第八十条 次の各号のいずれかに該当する者であつて、特許無効審判の請求の登録前に、特許が第百二十三条第一項各号のいずれかに規定する要件に該当することを知らないで、日本国内において当該発明の実施である事業をしているもの又はその事業の準備をしているものは、その実施又は準備をしている発明及び事業の目的の範囲内において、その特許を無効にした場合における特許権又はその際現に存する専用実施権について通常実施権を有する。
一 同一の発明についての二以上の特許のうち、その一を無効にした場合における原特許権者
二 特許を無効にして同一の発明について正当権利者に特許をした場合における原特許権者
三 前二号に掲げる場合において、特許無効審判の請求の登録の際現にその無効にした特許に係る特許権についての専用実施権又はその特許権若しくは専用実施権についての通常実施権を有する者
2 当該特許権者又は専用実施権者は、前項の規定により通常実施権を有する者から相当の対価を受ける権利を有する。
特許法 | e-Gov法令検索
(意匠権の存続期間満了後の通常実施権)
第八十一条 特許出願の日前又はこれと同日の意匠登録出願に係る意匠権がその特許出願に係る特許権と抵触する場合において、その意匠権の存続期間が満了したときは、その原意匠権者は、原意匠権の範囲内において、当該特許権又はその意匠権の存続期間の満了の際現に存する専用実施権について通常実施権を有する。
第八十二条 特許出願の日前又はこれと同日の意匠登録出願に係る意匠権がその特許出願に係る特許権と抵触する場合において、その意匠権の存続期間が満了したときは、その満了の際現にその意匠権についての専用実施権又はその意匠権若しくは専用実施権についての通常実施権を有する者は、原権利の範囲内において、当該特許権又はその意匠権の存続期間の満了の際現に存する専用実施権について通常実施権を有する。
2 当該特許権者又は専用実施権者は、前項の規定により通常実施権を有する者から相当の対価を受ける権利を有する。
特許法 | e-Gov法令検索
弁理士試験 令和5年度 短答式 特実2(3)まとめ
- 3 特許法における通常実施権の規定には、特許法第 35 条第1項に規定する職務発明に係る特許権についての通常実施権及び同法第 79 条に規定する特許権についての先使用による通常実施権については、当該特許権者は当該通常実施権を有する者から相当の対価を受ける権利を有することは規定されていないが、同法第 79 条の2に規定する特許権の移転の登録前の実施による通常実施権、同法第 80 条に規定する特許権についての無効審判の請求登録前の実施による通常実施権及び同法第 82 条に規定する意匠権の存続期間満了後の特許権についての通常実施権については、当該特許権者は当該通常実施権を有する者から相当の対価を受ける権利を有することが規定されている。
- 答え○
- 理由:職務発明による通常実施権(∵35条1項)、先使用権(79条)は無償!一方、79 条の2の通常実施権(∵79 条の2第2項)、中用権(∵80条2項)、82条の通常実施権(∵82条2項)は有償!
- 衡平の見知から職務発明による通常実施権(∵35条1項)、先使用権(79条)は無償。79 条の2の通常実施権(∵79 条の2第2項)、中用権(∵80条2項)、82条の通常実施権(∵82条2項)は有償!
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